2015-03-03

ココナッツオイルから... ゆる〜く学ぶ?「一括表示」

ちまたで大人気のココナッツオイル…どこのお店でも売り切れ続出だそうですね。ナチュラルなスポーツドリンクといわれるココナッツウォーターもちょっと前からブレイクしてたり。なにかと注目されてるココナッツ。不動の人気の杏仁豆腐の原料もココナッツ。

でも… なじみがあるような気がしてるこのココナッツの、ちょっと高級な最近話題のオイルって、オイルといいながら固形だし、髪や素肌にも使えるらしいし、なんなんだ…?って、もしかして思ったりしてますか…?


で。
このココナッツオイルって、あのなじみあるココナッツミルクにもちゃんと入ってるってことは知ってますか?



「やっと… 出番かのぉ…?」



そうなんです… ちゃんと入ってるんです。
でも、あんなふうに固形では入ってないことがほとんどだから... わからない。フタをあけるとドロドロっと均一の液体になってるかと思いますが、 あのなかにココナッツオイルもちゃんと溶け込んでいるのです。

そう... 溶け込んじゃってるんです。。


「水と油」という言葉があるように、本来は水と油だけでは混ざることはありません。自家製のドレッシング… 振ってすぐは混ざってるけど、時間が経つと分離しますよね?でもそこに乳化させてくれる成分や混ざった状態でゲル化させてくれる成分を加えることで、水と油がちゃんと混ざったクリーム状の製品ができるんです。分離しないように「乳化剤」とか「増粘剤」とか「安定剤」を添加する... 要は水分と油脂分が均等に混ざる&それを保つ成分が入ってるから... 前述のようにココナッツミルクは均一でドロドロになってるんです。



前置きが長くなりましたが… ここからが肝で...
大切な役割を担うこれらの成分にどんなものを使用してるのかを、ちょっとだけ気にしてもらいたいのです。。


たとえば… 乳化剤。 

身近なところでいうと、卵黄に含まれるレシチン。(だからマヨネーズができる!)レシチンは天然の乳化剤で... 大豆にも含まれています。

でも、たいていの量産製品はこの2つのようなナチュラルな成分ではない合成化学成分... 安価で簡単に混ぜることのできる「〇〇脂肪酸エステル」ってやつが入っています。でもそれは表示しなくてよくて、一括表示には単に「乳化剤」って書いてあります。

一括表示の決めごとで、乳化目的のために入れている原料は、由来がなんであろうと「乳化剤」って書かなくちゃだめで。大豆由来でも合成化学成分でも「乳化剤」。だから... そんな天然由来の乳化剤をつかってるメーカーさんの一括表示には「乳化剤(大豆由来)」って書いてあります。




つぎに... 分離を防ぐための増粘剤。

果物に含まれるペクチン、微生物がつくる多糖類由来のキサンタンガム、マメ科の植物の実から抽出するグァーガムなど、天然由来のものが多いのですが、最もポピュラーな一括表示が「増粘多糖類」だと思います。

ここでのポイントは... これらの増粘剤が一種類だけ使われてる時は「増粘剤(キサンタンガム)」のように表示されるのですが、2種類以上の場合は何種類入ってても「増粘多糖類」とだけ書けばよく、 何がどれだけ入ってるのかわからないという落とし穴があります。(極端な話、2種でも50種でも表示は「増粘多糖類」でいいのです)

増粘剤だけのことではないですが、食品添加物のなかにはアレルギーを引き起こしたり、発ガン性を持つといわれる成分がたくさんあります。増粘剤に多くつかわれるキサンタンガムは比較的安全性が高いとされているようですが... 自然食品店などで取り扱われるジャムなどの一括表示をみると「ペクチン(リンゴ由来)」などが多く使用されています。


いつもどおり長くなりましたが...

ここまで書いておいてなんですが、けっしてすべての食品添加物が絶対に危険とか、逆にナチュラルな成分だから安全とか、そういうことがいいたいのでもなくて... (そ... そうなんか... byサニー)

だって... 天然のものにも「漆」とか。増粘剤の原料になる藻類からとれる「カラギナン」は胃腸障害を起こしたりする。毒きのこ。ふぐ。梅とかじゃがいもにも毒はあるし、日本で発生する食中毒の原因の大半は微生物や自然毒によるものだったりするし。天然だから安全とは一概にいえないと思う&普段たくさんたべてる食品の一部分だけを取って抽出して濃縮して... 本来なら一生かけても取りきれない量のそれを一度に摂取したらカラダにどういう影響があるかなんて誰にもわからなかったりするし。その昔には「にがり」だって新成分だったわけだし...。。



で。
ここでやっと... 冒頭の「ココナッツオイル」に戻ります。。

ええと... 
オーガニックのココナッツオイルっていうのは、ココナッツの胚乳(パカって割ったらある白い部分)から低温圧搾されて得られる水分(この水分がココナッツミルク)を、自然に分離&発酵... 濾過させて得られます。

オーガニックでもそうじゃなくても原料はこの部分ですが、化学製法(素早く大量に生産するため)だと製品化までの行程でたくさんの化学物質が使われる&機械による遠心分離によって、よい成分を水分の方に取られてしまいます。





はい...
やっと出番です...



「待ちくたびれて… うとうとしょぉったよ...」

とっくに「ココナッツオイル」のことを忘れた頃じゃゆぅともいますが... マネージャーの流れだとここでいっきにクロージングにはいって取り残されるけぇのぉ。気をつけてつかぁさいのぉ。。





今回なにがいいたかったかというと...

ひとつの食品添加物をとって安全とか安全じゃないとかを考えるまえに、
「入ってないのがいちばんいい」ですよね... ってこと。。


サニーの横にある白いものは... 
「缶の中のココナッツミルクが自然に分離して取れたココナッツオイル」です。





サンズマーケットカフェで使用しているココナッツミルクの一括表示
「原材料:有機ココナッツミルク・水」








乳化剤も安定剤も入ってないので、蓋をあけるとこんなふうに。混ぜて全体を使用することが多いですが、オイル分だけをスイーツ作りに使用して、残りの水分はカレーやドリンクに使ったりもできるので... ちょっと得した気分にもなれます。。

油って水より軽いから浮きますよね。ココナッツオイルの融点は冬の気温より高いので現在は常温でもこんなふうに固形になってます。夏はトロトロなので、分けたい時は冷蔵庫に入れて使います。


もちろん... オーガニック製品でも、あらかじめ乳化してある製品もあります。その一括表示は「ココナッツミルク・増粘剤(グァーガム)」が多いです。あらかじめ「タイカレーを作るぞ」とか「グァーガムなら安心」って思っていたとしたら、乳化されてるものを購入する方が合理的だったりもしますので、そのへんはオルタナティブで。

でもでも一括表示... これを機にぜひぜひ気にしてみてください。。(←これこれ。ただこれがいいたかっただけなの)


このココナッツミルクは、オープン当初から販売&カレーやスイーツに使用しています。
ココナッツオイルは、春から輸入されるオーガニックの新商品を導入予定ですのでおたのしみに。。